自転車と離れている時代に、富士登山競争というランニングレースに三度出場した。
富士吉田の市役所前を朝7時にスタート、4時間半で頂上まで行けば完走。
3回ともギリですが、時間内完走した。
富士山は見る山であって、登る山ではないと聞いていたが、確かに蟻地獄!
5合目過ぎて現れる砂礫の道は踏力の60%位しか伝わらない。
緑の無い砂と岩の世界をひたすら上る。
頂上から見下ろす風景は素晴らしいが、私がすごいと思ったのは噴火口。
なんか地獄の釜を見る気分。
当たり前だけど自力で下山。
帰りの道中に見る富士山・・・美しい。
伸びやかな稜線。
安定感のある裾野、日本人の心に訴える黄金比。
裾野・・・すそ野は広いほうがいい・・・
底辺の愛好者が多いスポーツはおのずとレベルが上がる。
素質ある者が発掘される確率が高くなる。
そして、発掘された若者のライバルも発掘される。
若者たちは競い合い自然強くなる。
しかし、時折出てくる逸材も周辺に良きライバルいなければ、お山の大将であったり、
競い合う喜びに出会えずに時代の波に消える。
現状の日本では如何せん自転車はマイナースポーツ。
他の競技に逸材が流れる可能性は高い。
新城、別府クラスとその下に距離を感じるのは私だけだろうか。
その昔なら市川さんであったり。
適した例えではないかもしれないが、突然変異的、宇宙人的に強い。
いびつな三角形。
ただでさえ底辺が狭く、頂きも高くない日本の自転車山に空中に浮いた形で
頂上に岩が有るかのごとき不安定さ。
週末は各地で秋を感じるツアーや練習会が有ったよう。
私もクラブの秋の篠山ツーリングに同行した。
こういったイベントがツールを走る人間を育てることは一般的には想像しにくい。
間接的であり時間も膨大にかかるが、安定した裾野を築くことは、高き頂きを作るには、
必要不可欠であると思う。
今後も篠山ツアーを企画して頂いたinoひげさんのように、各地でスポーツサイクルの裾野を広げる
活動が高まり、その結果として美しくも気高き頂きが創られればと願う。
富士の山のごとく。