競技者の重大関心事とは

 

先日の西日本クラッシックで自転車の重量チェックが有った。

全員の自転車のチェックをしていて、公平で良いなと。

いつ決まったのかは知らない。自転車の重量規制。

少なくとも、1990年時点では、無かったルールだ。

 

自転車乗りにとって、自転車の重量は重大関心事だ。

自転車が軽ければ軽いほうが良いと言うのは、今も昔も変わらない。

それに対して、『1キロぐらい軽くても、走れないものは走れない』

という反論が出るあたりも、今も昔も同じ。

 

昔は規制が無いものだから、多くの選手が軽量化に勤しんだ。

お金のある人は、ペダルやBBシャフトのチタン化だったり、

海外のスペシャルパーツだったり。

 

お金の無い私たちは、ハンドルやシートポストの

要らない部分を切り捨てたり、バイト代で買える安くて

軽い部品を探しては部品交換していたものだ。

 

その中で、カスタマイズの余地が大きいのがホイール。

当時は全て手組の時代でホイール組が出来る自転車乗りも

それ程、稀でなく、私も自分で組んだホイールで練習をし

試合に出ていた。

 

ホイールの構成要素・・・リム・ニップル・スポーク・ハブ・フリー

これらを自由に組み合わせ、自分だけのホイールに仕上げる。

まあ、自由と言ってもその時代の定番が有り、価格とパフォーマンスの

関係である程度部品は絞られてくるのだが。

 

フレームも重要。今のように既製品でなく、真剣に走っている

選手はほぼ、オーダーフレームに乗っていた。

パイプは日本製なら丹下か石渡。

海外ならコロンブス

シートアングルやチェーンステー、トップチューブ

長さなどをフレームビルダーと話し合って決める。

ミリ単位のオーダーだった。

ダボの位置やワイヤーの通し方まで打ち合わせる。

もちろん塗装のカラーも。

 

そうやって、出来上がった自転車の重量が1980年代当時で

9㎏台程度。軽量部品を使っても8㎏台だった。

(実業団レースを走る自転車の重量。超軽量スペシャバイクは

今と同じで、当時も存在した)

 

30年の月日は自転車を2㎏軽くした。

フレームのカーボン化とBBの構造変更、ハブ軸のアルミ化、

ヘッド周りの構造変更。

このあたりが、軽量化の要因だな。

 

6.8㎏規制はレースをする上では平等で良いとは思う。

しかし、ガリガリの自分と身長188cm・体重80kgのキッテルや

身長192cm、体重82kgのボーネンみたいな、大型スプリンターが

同じ重量規制というのも変な話だと思うのが正直な感想だ。

 

普通に組めば重量規制前後の重量になる現代のロード。

部品選びの楽しみと、決戦用の超軽量ホイールを付けて

レースに出る興奮は味わえなくなったが、それと引き換えに

平等と安全を手に入れた現代の自転車競技界。

20年後はどうなっているんだろうか・・・