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綱渡りの西日本チャレンジロード 

 

触っちゃダメと言われると、なんだかどうしても触りたくなるし、

見ちゃダメとか言われると、どうしても見たくなる。

なんでやっちゃダメな事はして見たくなるのだろうか・・・

 

西日本チャレンジロードへ行ってきた。

5度目のチャレンジ。

過去には2位とか7位とか8位とかの成績だ。

2011年は優勝するつもりで、当時中学生の息子に”強い父親”を

見せようと、早朝から寝起きの悪い息子を広島まで連れて行ったが、

1周回ったホームストレートでまさかのもらい落車で父の威厳と

フレームが壊れた。

仕方がないので、”強い父親”作戦は変更して、”人生の厳しさを語る”

作戦に移行したが、うまく行かなかったな。

大事な時にダメなオヤジ・・・

 

昨年2014年は何故だかゴールスプリントが全くかからず長いゴール前の

ストレートが地獄だった。結果は8位。

着には絡んでいるけど、勝てない。いい加減勝たないと加齢の波にのまれて

勝つどころか、来年試合に出てるかさえ分からない。

 

前後するが、出場したのはマスターズクラス。

30歳以上の登録者のカテゴリー。率直な感想として30歳はマスターでは

無いと思う。40歳ぐらからなら納得も行くが・・・。

昨年の西日本実業団は同コースで行われたが、私はE1カテゴリーで入賞している。

はたから見れば、マスターズでなくエリートで走れよ!と思うかもしれないが

私は今年51歳になる。その上、この大会のエリートカテゴリーにはプロが走る。

流石に仕事をしないで走る素質と若さに溢れたプロとは走れない。

結局今年のエリートにプロはほとんど参戦して無かったようだけど。

いずれにしても、息子は来ていないが、あの忌まわしきダメオヤジの心象を

払拭しなければならない。リベンジ。

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さて、レースの方だが、定刻に無事スタートが切られた。

天候が不順で雨が懸念されたが曇りでやや寒いぐらいの走りやすい気候だ。

1周目の途中からチーム員のイシトモさんが遅い集団に業を煮やし自然な感じで

逃げに入る。

しかし、集団との距離が開かず、2周目に入るころには集団に飲み込まれる。

 

2周目も1周目と同じくまったり進む。このカテゴリーは社会で揉まれ、

多くの悲喜こもごもを経験してきたおじさんのカテゴリーだ。

美味しい話には乗りたいけど、リスクのある冒険は避ける。

それだけに逃げる行為は勇気ある行動と思う・・・

 

どこに基準を置くかにもよるが、自分は脚質的にスプリントが強い。

登りを無事にこなし、ゴールへ脚を使わずに辿り着けば勝てる確率が高い。

だから、大人しくしていれば良かったのだが、なぜだか三段坂の1段目で

自動的に脚にスイッチが入ってしまい、逃げモードに・・・

理想的な場所から良いスピードで抜け出し最大20秒まで集団との差が開いた。

 

現在の実力で独走で1周半を逃げ切る事が難しい事は解っていた。

誰かがブリッジを架けてくれて協調体制が取れれば・・・そのままホームを過ぎて

下りに入れば、全開でコーナーを攻めればギリギリ逃げれると見積もった。

が、脚が無い。想定以上にたれるのが早い。

昔から高速のローテーションには強いが、独走力は無い。

結局逃げが有利な下りを迎えることなく、3周目に入るホームであえなく吸収された。

 

ここからが大変だった。吸収される20秒前はオールアウト状態で乳酸MAX。

あきらめて吸収されても最終ラップで後ろに下がる訳にはいかないから、

乳酸にまみれながらも、10番手以内で下りに入る。

下りながら酸欠で通常時の半分も回らない頭で考える・・・どうしたら勝てる?

答えはシンプル。

何とか生き残りゴールスプリントを出来るだけフレッシュな脚で迎える。

ペースが落ちてくれれば・・・牽制が入れば・・・と祈るもそうはならない。

出来るだけ脚を使わないポジションと走りに注力し何とか息を整えて

三段坂を迎える事が出来た。

 

三段坂の2段目で出雲工業高校の先生?が良いスピードで踏みだす。

間に入っていた数人を抜き後ろに付こうとするが彼はさらに加速し数秒先行し

3段目の坂を下って行った。敵ながらいい攻撃だ。

これを追ってくれたのがチームメイトのジョニーさんだ。

これが無かったら彼は逃げ切ったかもしれないが、無事に最終コーナーまでに

先生?は吸収された。

懸念されたのは3段坂からの下りで振り返り確認した、脚を休めた10数名の

選手たち。

自分自身が3段坂で結構消耗していたのに10数名もの選手がまだいるのには

少し戸惑いを覚えた。

 

この時点では勝てるイメージは無かった、ゴール前でたれるのか・・・。

だが、実際は色々考えてる余裕は無く、最終ヘアピンでペダルを掻いて落車しないこと、

ペダルを掻いて落車をする人に巻き込まれない事に注力する。

後は早ガケの売り切れに注意して自分の距離を測りスプリント発車。

去年と違い距離も勾配も全く気にならず、気持ちよくもがき切ってゴール。

勝てる時はこんなものか・・・堺の時もあれって言うぐらいにあっけなかった。

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勝つと言う事に特化すれば自分の場合はとにかく最終回の最終ヘアピンに

無事に居ればよく、博打である逃げ、しかも単独の逃げをする必要などなかったのに

なぜ動いたのか自分でも解らないし、ちょっと驚いている。

それと同時に困難な状況から1周の間に回復させてスプリントで勝つと言う

綱渡りを渡り切った満足感が込み上げる。

逃げはこの満足感の為だったのだろうか・・・

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とても幸運な事に幾度かの優勝を経験させてもらっているがいつもゴールでは

グリコポーズでゴールをしている。

自転車競技者の苦しい積み重ねが報われる最高の瞬間だから最高の形で

喜びを表現したい。海外のスター選手たちがそうするように。

 

それをカッコいいと思い、あんな風にいつかはゴールしたいと憧れ、日々の努力を

積み重ねる選手がいれば最高だ。かって少年だった自分がそうしたように。