日本に帰ってまず最初に食べたのは寿司。
スイスに滞在中は幾度となく、寿司を思い浮かべていた。
物価の安かったスペインで日本食を食べたが、流石に寿司は
食べてなかったので、酒じゃないが、五臓六腑に染みわたった。
そして、帰国を祝い両親が日本海に蟹ツアーへ連れて行ってくれた。
これも最高だった。うれしかったな。
ロードに出会ってからは大きな夢を手に入れる為に走ってきた。
ここでその夢が手に入らない事が現実となり、目標を見失った。
昔から極端で短絡的だった。
夢が手に入らないなら辞めよう。
そう決断して帰国した。
さてどうするか、今後どう生きていくのか。
夢には迷いがなく一直線だったが、夢以降の事を考えてなかった。
仮定であっても、夢が手に入らないなんて想像すらしなかった。
この時24歳。
いい大人が、笑ってしまうぐらいノープラン。
でも本人には全く危機感は無かったな。
色々な意味で若かった。
そんなこんなで引きこもっていた’89年の1月のある日、
人生の方向を変える電話が鳴る。