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軍曹と喜劇と女神

 

悲劇は突然やってくる・・・いや、喜劇だったかも。

涎と鼻水たれながら、失礼ながら笑ってもうた。

怪我が無ければ笑い話だな。

 

今日は軍曹が遠路遥々と朝練に遠征頂いた。

一体家からどれぐらいかかるのか、

4時そこそこに起きていることは確実

そして暗く、今年一番の冷え込みの中をやってきた。

正しく、リアル変態。

流石はボトルに牛乳を入れる男。

 

せっかくの軍曹の参加だが、いつものメンバーは皆都合が悪く

接待役が自分だけになってしまった。

ちょいと役不足か・・・、やるだけやらねば。

 

いつものようにスタート、どうも軍曹のパフォーマンスに怯えてしまい

全開と言うわけにいかず、少し余裕を残して踏んでしまう。

途中で軍曹の脚が緩んだ感じがしたところが数カ所あって、

すかさず、そこではペースアップを図るも、全く千切れる気配なし。

1stの旧キジ肉売り場はかろうじて先行したが、

軍曹はコースを知らないので、これはあてにならない。

 

2stの登り始めから少し攻めてみるが、軍曹全く崩れない。

それどころか、前に出てペースを上げ始める。

鬼軍曹だな。

ここは、我慢のしどころと、精一杯踏むが気持ちだけで千切れないなら

朝練なんてしないで、家で精神修行をしてればいい。

どんなに我慢しても、千切れるときは千切れる。

 

千切れたのは神の采配だったのか・・・

千切れてからすぐの事、凍結路面で落車する軍曹。

道路にかぶさっている竹林から、結露が落ちて凍っている。

流石は軍曹と呼ばれるだけあって、『やばいっす』と言いながら

このサバイバルな状況がなんだか嬉しそう。

落車に水を差され、二人で流しながら頂上へ。

 

凍結に怯えながら、ジワリと裏高山へ移動。

融雪剤がかなり撒かれているので、凍結はしていないが

撒き忘れが有れば、落車は免れない環境に怯えながら踏む。

ここも、軍曹が強い。

最後の500Mでギアをコンコンと2枚ほど上げてダンシングで

私を千切り捨てて行った。

 

これだけ走れる軍曹にしても、レースで勝つのは難しいという。

『レースでは勝てない、レースは別もんですわ』と。

そう、強くても勝てないけど、強くないと勝てない。

体力とテクニックの両方が高次元で必要とされる。

それがレース。

 

典型的なレースの流れは存在するが、人が絡むので、

同じ形のレースは存在しない。

状況、メンバー、風、集団の心理、コース。

スーパーコンピューターでも読めない流れを読み動く。

実際は読み切れないけど、感覚で動く。

当る時は当たるし、外れるときは外れる。

結果は神のみぞ知るだ。

 

日々選手が出来る事は、眠気に打ち勝ち、

寒さを無視し、ひたすら積み重ねる事。

 

自転車競技はその展開によっては、

積み重ねた努力を簡単に裏切る。

その気まぐれで、気難しい様が、選手の心をとらえ離さない。

簡単に手に入れられないから燃える。

 

でも、たまにはご褒美を下さい。

勝利の女神様。