決選用のチューブラーホイールの試合前の試し履きであったり、 気合の入った、チューブラー好き以外には利用度の低いチューブラーの パンク修理技術だが、せっかくの技術が時代の波に飲まれるのを 看過するのはちょっと心苦しいので、前篇に続き実際の修理を 写真をふんだんに使って解説する。
では実際のチューブラーのパンク修理を見ていこう。
題材は使い古したビットリアのチューブラータイヤだ。 使い古されているが、パンクはしていない。 フラップ・・・いわゆるふんどしが緩くなり剥がれてきている。 このタイヤをわざわざパンクさせて、今回の題材にする。
分かりやすいように、タイヤにマーキングした。 ここに穴をあけるのだが、自転車乗りとしては結構抵抗感があるな。
ぶつっと穴をあけた。
次はふんどしをはがす。物によっては結構硬いので、 破れないようにプライヤーを使う。 指がプライヤー並に強い人は指で。
剥がすとこんな感じだ。 次は中央に見える糸を切る。
分かりやすいように、赤い色を付けたが、ここに縦糸がある。 ちょっとしたノウハウだが、この縦糸を左にして下側の糸を切ると 後は糸の端を引っ張ると一気に縫い目が外れる
こんな感じに、一気に外れる。 ここから、パンク修理の部分はクリンチャーと変わらない。
パンク部分周辺をサンドペーパーで荒らして・・・
ゴムのり塗って。ちゃんと乾かしてから・・・
パッチを張る。のり付のパッチだが、自宅なのでタイヤにものりを付けた。
修理前の写真と同じようだが、パッチを張ったチューブを中に収める。 タイヤの両端をパンパンと引っ張ると自動的にタイヤは中に納まる。
今でも売っているのだろうか? ベロックスのチューブラータイヤ修理キット。
この糸と針を使って、裁縫の時間が始まる。
チューブを縫わないように、こんな風にチューブをしたに押し下げる。
開口部のちょっと下(1㎝位)から縫い始める。 針の位置は、元の針孔を狙う。 どうしても固い時はプライヤーで引き抜く。
上手く元の針孔に針が刺されば、割合力も要らずに縫い進められる。
最後は、家庭科の時間に習った、玉止めだ。←リンク ゴールは近い!
縫い目のチェックで空気を入れてみた(7気圧) 完璧だな。ここで、元の針孔を無視した縫い方をしていると、 タイヤが波打ち、グネグネのタイヤが出来上がり、非常に走行感が悪くなる。
さて、ラストスパートだ。ふんどしを元に戻す。 接着は万能接着剤のリムセメントだ。 このように、空気を入れた状態だと、ふんどしに 余裕があるので作業がしやすい。 タイヤとふんどしの両面にリムセメントを塗り、 数分置いてリムセメントが乾いてきたら タイヤの空気を抜いてからタイヤとふんどしを張り合わせる。
はい!完成だ。久しぶりだったが、作業は完全に体に染みついていたようで 全く問題なく作業は進んだ。恐ろしいことだ。
今回作業に使ったツールたち。
折角パンク修理したチューブラーだけど、見ているうちに クリンチャーのバースト時のタイヤ内側の当て物として 最適な気がしてきて、ザクザクと切ってしまった。
休日の午後を使っての作業だったが楽しかった。 もう利用される機会の少ない技術ではあるが、 一人でも必要とする人がいれば、手間をかけて このコンテンツを作った意味もあるだろう。